よくわかる行政手続き
指導書・是正書をもらった
まずは現状を分析しましょう
労働基準監督署の調査では主に、賃金台帳の確認、出勤簿の確認、労働者名簿の確認、就業規則の確認、36協定等の確認をし、事業主の方に聞き取り調査を行いますが、それで何らかの法違反や法律には違反しないが改善することが望ましい事柄が見受けられた場合、労働基準監督官はその場で、是正勧告書または指導票を手書きで交付します。
是正勧告書
労働基準法その他労働法令に違反するので、所定期日までに改善するように求めるもの
例)
- 残業代がきちんと法定どおり支払われていない
- 36協定の提出がなされていない
- 10人以上労働者がいるにも関わらず就業規則を作成していない
是正勧告書は法違反の状態を確認したということですので、是正勧告の内容に従って、改善するようにします。改善ができれば後日報告書という形で労働基準監督署に報告をします。
指導票
労働法令違反には該当しないが、労働法令の趣旨に照らして改善した方が望ましいと思われる事項、又は後々労働法令違反につながる可能性が有るので、改善した方がよいとお知らせするもの
例)
- 長時間労働が続いている(割増賃金をきちんと払っていれば長時間労働自体は違法ではありません。)
指導票は法違反の状態ではありませんので、指導に従う義務はありませんが、わざわざ教えてくれていますので改善する方向で事業所としても考えた方がよろしいかと思います。
慌てずに対応を
労働基準監督署の立ち入りがあれば、どの事業所もまず大なり小なり不備がありますので、ほとんどの場合、是正勧告書か指導票をもらうことになると思います。労働基準法他各種労働法令をすべて熟知し、厳格に守っている事業所はまずないと思いますので、書面をもらっても必要以上に慌てないことが重要です。
書面をもらってから、どう対応するかを考えることが重要です。
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