よくわかる行政手続き
労働基準監督官が来た
必ずしも法違反の申告があったわけではありません
労働基準監督官の業務としては以下のようなものがあります。
- 臨検監督
- 災害調査(労災事故発生の原因究明等)
- 許認可実地調査
- 未払い賃金立て替え払い実地調査
- 司法捜査
- 届け出書類等受付
- 来所者の相談対応
この中の臨検監督の一環として事業所に労働基準監督署から労働基準監督官が来ることがあります。多くの事業主の方はびっくりしますが、労働基準監督官が事業所に来ることはそう珍しいことではなく、むしろ来るものだと思っていただいても大丈夫です。労働基準監督官が来る理由としては、
- 管内の事業所の定期見回り(定期監督)
- 元労働者、現労働者から法違反の申告があったため立ち寄り(申告監督)
などの理由が考えられます。1のケースで来る場合も多いので、必ずしも誰かから法違反の申告(残業代の不払いなど)があったため、来たわけではありませんので、必要以上に警戒することはありません。
労働基準監督官の立ち入り調査には基本的には協力した方がよいです。基本的にアポなしに訪問してきますので、来客中などどうしても都合が悪い場合は、日を改めるなどの対応でよろしいかと思います。
労働基準監督署の調査では主に、以下の書類がチェックされます。
- 賃金台帳
- 出勤簿
- 労働者名簿
- 就業規則、各種諸規定
- 36協定
等の確認をし、事業主の方に聞き取り調査を行います。
これらの書類は法律上保存が義務付けされていますので、労働基準監督署の調査に関わらず、保管しておいてください。
<参考>
労働基準監督官の臨検監督の種類
定期監督
各監督署ごとに年間で立てられた計画をもとに、監督官ごとに割り当てられた監督業務
災害時監督
労災請求により把握した災害に関して。事故の原因が法令違反によるものと推測され、設備の改善、作業の変更等が必要になると判断したケースに行う監督業務
申告監督
労働者からの申告に基づき行われる監督
再監督
前回監督した結果、是正を求められた事業所で、是正報告書の提出がなされていない、是正内容が不十分な事業所に対して再度行われる監督
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