よくわかる行政手続き
建設業許可とは
建設業許可の基礎を解説します
建設業許可の歴史
昭和46年の建設業法の改正で従来の登録制から許可制になりました。以後、数々の法改正が行われ、現在にいたります。
建設業許可の目的
(建設業法第1条)
法律上は「建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによって、建設工事の適正な施行を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発展を促進し、もって公共の福祉の増進に寄与することを目的とする」とされています。
そもそも建設業とは
(同法第2条)
建設業とは、元請、下請けその他いかなる名義をもってするかを問わず建設工事の完成を請け負う営業とされています。当然規模も問いませんので、いわゆる一人親方も該当します。
必ずしも建設業許可は必要でありません
軽微な工事(原則500万円未満の工事)のみを行う場合は必要ありません。許可がないから即違法営業というわけではありません。(以下に該当しない限り)
許可を受けなくてはならない場合
個人・法人の別、事業規模を問わず軽微な工事のみを請け負う場合を除いて、元請、下請を問わず許可を受けなければなりません。
許可なしで軽微な工事以外を請け負った場合は「無許可営業」として法律で罰せられます。(3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられますし、さらに今後5年は許可を受けられません)
現実問題
つまり軽微な工事のみを請け負う場合は許可を受ける義務はありませんが、最近は元請け、取引先から許可を取るように言われて許可が必要になるケースが圧倒的に多いので、多くの業者が許可を取得する形になっています。
許可にも種類があります
建設業許可を1つとればすべての建設工事ができるわけではありません。建設業許可はその作業内容に応じて29通りにも分かれています。例えば「屋根工事」と「石工事」がしたいなら、それぞれの許可をとらなくてはなりません。
有効期限
建設業許可は一旦取得したらずっと有効ではありません。5年ごとに更新する必要があります。その間も毎年、決算変更届を提出しないと更新が受けられません。
実際に建設業許可があるメリット
1
請け負う仕事の規模に制限がなくなる
許可のない場合、原則として500万円以上の工事を請け負うことはできません(建築一式工事は1500万)これを超える額を請け負うと処罰の対象となるわけですから、額の大きな仕事は請け負えません。
しかし許可さえあれば額の規制はなくなりますので、必然的に請け負える仕事の範囲が広くなり、仕事自体の増加も期待できます。
実際、当事務所で許可を取得された業者さんで、許可取得後大きな仕事ができるようになり、売り上げが伸びた事業所も事業所も多いです。(中には、飛躍的に伸びた事業所もあります)
2
お客さんにもアピールできる
建設業許可がある業者は事務所に、建設業許可の標識を掲示することが義務付けられております。建設業取得業者としてお客さんにもアピールできます。つまり建設業許可がある=安心してまかせられる業者ということで、無許可業者に比べてお客さんからの信頼も得られやすいかと思います。
3
元請からの下請契約が取りやすい
中小の業者の場合、他の建設会社からの下請けが重要な収入になる場合もあります。しかし近年は大手は「許可のあるなし」で下請業者を選定する傾向があると言われます。
許可のない場合、いくつかの同じような条件の会社が候補にある場合、どうしても不利になります。
また最近は取引先や元請けが、許可をとるように強く要望してくる場合も多いです。
4
許可がないと公共工事の入札には参加できない
平成6年改正により、公共工事の入札には「経営事項審査」を受けている業者に限るとされました。
経営事項審査はその業者の技術力・経営力等を客観的に数値で判定するものですが、この経営事項審査は建設業許可を受けていることが大前提なので、許可がない→経営事項審査受けられない→公共工事の入札はできないということになります。
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